「エゴ」という言葉は、利己主義的な性質や自我のことを指して使われたりします。「エゴを捨てる」とか「エゴから解放される」、「エゴを手放す」などの表現も耳にします。
『ザ・ワーク―人生を変える4つの質問』の著者として知られるバイロン・ケイティは、エゴを「誤ったアイデンティティ」と定義することがあります。もう少し具体的には、私たちの思考や信じていることなどを指しているようです。
エゴというと一般的には悪者扱いされることが多いと思いますが、バイロン・ケイティにとっては愛すべき存在です。
エゴは物質的な形を持たないので、物質になろうと必死だそう。私たちにあらゆることを信じ込ませ、現実化(物質化)しようとするのだとか。ある種の生存本能のようです。その様子は、まるで家を探している怯えた子供のようだと言います。
ケイティによると、エゴにも生きる権利があります。私たちがエゴを尊重して、その声に耳を傾け排除しようとしなければ、エゴの方から私たちを手放してくれるそうです。
ただし、ワークは「下心」があると上手くいかないそう。つまり、あらかじめ自分が求めている答えをワークに期待しないようにします。となると、「エゴから解放されること」を目的にワークをするのも下心かもしれませんね。
個人的には、たとえ一生エゴがつきまとったとしても完全に幸せになることは可能だと思います。そう思えば「エゴから解放されたい」という「下心」を持ってワークをする必要もそれほどなくなります。
ケイティの話を聞いていると、そもそもエゴが無くなるわけではなくて、エゴとのつきあい方がものすごく上手になるだけという気がしてきます。それに「エゴは無くならない」と思ったほうが、「エゴから解放されなければならない!」と思うよりずっと気楽です。