バイロン・ケイティの「ワーク」というメソッドは、ストレスの原因になっていることを書いてみて、それに対して4つの質問をしていくものです。
このメソッドでは自分で書いた文章の意味をひっくり返す、つまり逆の意味の文章を作ってみるステップがあります。(書籍などで「置き換え」と訳されているステップです。)
逆の意味にすると言っても、厳密に正反対の意味にしようとしなくていいようです。文章中のいろいろな部分の意味をひっくり返してみて、いくつか文章を作ってみるだけです。

たとえば「お母さんは私を愛していない」という文章ならー
- 「お母さんは私を愛している」
- 「私はお母さんを愛していない」
- 「私はお母さんを愛している」
- 「私は私を愛していない」
ーなどの文章ができます。
自分の考えをひっくり返してそれと向き合うなんて、あまり心地いいものではないですよね。
やる意味が理解できなくて、怒りを感じる人も多いと思います。
実はこれらの文章に必ずしも同意する必要はないようです。
このステップに際してバイロン・ケイティさんは、よく「Try it on!」と言います。これは洋服などを試着するときによく使われるフレーズで「試着してみて!」という意味になります。
実際に服を試着する際、自分に似合う服もあるし似合わない服もありますよね。文章をひっくり返すときも、それと同じイメージでやればいいそうです。(ただし、じっくり時間をかけます。)

服を試着している最中は、すでに持っているアイテムを思い浮かべて「あのジャケットと合わせたらどうかな?」とか「あそこに行くときに着ていくのはどうかな?」などと想像を巡らせたりすると思います。
それと同じように、ひっくり返した文章もどうやったら現実に当てはまるか、その理由をなるべくクリエイティブに想像してみます。
ネットに公開されているワークの様子を観ると、多少くだらないと思えるような理由でも大丈夫なようです。とにかく様々な理由を模索してみます。
そうすると自分でも想像しなかったような考えが出てくることがあるので、驚いたり笑ってしまったりするかもしれません。
時には、今まで気づけなかった心が揺さぶられるような真実が浮かび上がってくることもあるようです。
バイロン・ケイティの著書「ザ・ワーク―人生を変える4つの質問」


