「ザ・ワーク―人生を変える4つの質問」などの著者として知られるバイロン・ケイティは、例え話やエピソードを用いて話すことが多いです。
「もし、あなたが銃を突きつけられたら…」という話もたまにします。
これは「今がすべて」ということと、「今に生きれば苦しまない」ことを分かりやすく教えるために取り上げるのだと思います。
彼女自身が実際に銃を突きつけられたこともあるそうで、説得力が増しますね。
この瞬間に生きれば何の問題もない
バイロン・ケイティは、もし銃を突きつけられて「おまえを殺してやる!」と言われたとしても、どこに問題があるでしょうか?と私たちに問いかけます。
理解しづらい問いですが、脅されているその一瞬だけを切りとって考えると分かりやすい気がします。
まだその瞬間は悲劇が起こっていないので、問題はまだ現実には存在していないことになりますね。自分の中にある未来の悲劇の映像に怯えている状態に過ぎないわけです。

一瞬先の未来のことも、一瞬前の過去のことも、この瞬間は頭の中にしか存在しておらず、実際にこの瞬間にあるものは今あるものだけ。「今がすべて」ということになります。
「今がすべて」に関しては、多くの精神的指導者が同じようなことを言っていますね。
それなのに私たちは、未来や過去のネガティブな映像を頭の中でリピートし続けているので、今この瞬間を見る暇もないようです。そのせいで「今」の世界の素晴らしさを見逃し続けているのだとか。
今だけに生きればすべてが美しいそうです。
実際に銃を突きつけられて
バイロン・ケイティは、実際に銃をお腹のあたりに突きつけられた経験があります。
身を守るためにできることがあるなら、当然すればいいのですが、この時は「逃げる隙もなく、人が弾丸の速度より速く走れるはずもない」ということで、ただその場にいたそうです。
そして、相手の目や背景の景色を美しいと感じていたのだとか。

彼女のただならぬ様子を目の当たりにしたせいなのか、相手がすごく怯えていたので、「彼が彼自身にこんな仕打ち(引き金を引くこと)をしないことを願うわ」と思っていたそうです。この時は事なきを得ましたが、もちろん何があってもおかしくない状況でした。
バイロン・ケイティが提唱している生き方は、危機を回避するためのものではないです。何が起こっても、心は自由で平和で幸せでいられる生き方です。
ただし、そうした生き方を習得するには練習が必要だそうです。彼女が提唱するザ・ワーク(自問自答の方法)を繰り返すことが練習になるということです。